東京にいる間に東国三社めぐり

関西に拠点を移すにあたってその前に是非再訪しておきたかった東国三社:鹿島神宮、香取神宮、息栖神社(おまけ?で鹿島の鎌足神社)をぐるっと回って来た。東京の自宅からだと高速で鹿島まで1時間20分ほど。わりと近い。

日本のはじまりは西の方、という歴史観を学校などで無意識のうちに刷り込まれているような気がするが、関東から東北は縄文時代からずっと繁栄してきた土地。この東国三社がある利根川流域は一大交易地だったようだ。

朝、車で東関道を太陽に向かってひたすら走ると、やがて両側の丘陵が開け、目の前に広大な利根川の河口域が出現する。思わず「わあ!」と声が出てしまうくらい広い。朝日に輝く豊かな水と緑、そして広い空、私が縄文人だったらここに住みたいと思うだろう。利根川河口、霞ケ浦を船が行きし、たくさんの人が生活する様子が目に浮かぶ。

鹿島神宮 奥宮

地図上で見ると、東国三社は利根川の広いデルタを守るように外洋に向かって逆三角形の配置で立っている。当時は今よりも水位が高く、三社の近くまで水があったことを想像させる地形だ。もしかしたら「鹿島」というからには島であったかもしれない。鹿島神社には東西南北に鳥居が配置されているのも四方が水に囲まれていたからなのでは?という想像を膨らまされる。ああ、古代史は魅力的。

鹿島神宮と香取神宮には「すずめの戸締り」で認知度が上がった地震を鎮めるという「要石」がある。とっても地味~~な石なのだが、平日にも関わらず訪れる人絶えず。香取神宮の要石は水戸光圀公が命じて三日三晩掘らせたけれど掘り出せなかったほど大きい、という逸話もついている。

鹿島神宮にはハートの形の火窓を持つ灯篭があり、インスタ映えするのか若い人達が群がっていた。逆側はミッキーの形だとか。写真撮れば良かった。

この夏、オリンピックで国歌を耳にする機会が増えたが、君が代の歌詞に歌われる「さざれ石」は鹿島神宮にある。小さな岩がたくさんくっついて一つになっているような不思議な形の岩だが、磨くと赤いのではないかと思う。苔もあちこち着いているが、その隙間から見える石の色が赤みを帯びている。

一番奥、これがあの「さざれ石」

鹿島神宮→息栖神社→鎌足神社→香取神宮と回って有難さを全身に浴びてきた。鹿島神宮の境内の土の色の美しさが特に記憶に残った。特に奥宮のあたり。。。そして玉砂利が細かくて丸くてとても綺麗だ。掃除も行き届いていて本当に清々しい境内だった。

この記事を書いた人

Chrononaut M

慶應義塾大学文学部史学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士。Q-Leap株式会社 取締役
2024年に東京から奈良に転居。

外資2社に計10年ほど勤務。その間Chicago、NY、Geneveに計4年駐在。結婚と子育てで一旦仕事を離れ、10年間の専業主婦時代を過ごす。3人の子育て中に再度社会に戻るために本格的に英語をやり直し、2011年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジでTESOLを取得、

2014年にビジネス英語研修会社 Q-Leap を愛場吉子と共同設立。企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを現在も手がけている。Q-Leapは今年設立10年を迎えた。「明日の日本代表に真の英語力を!」がスローガン。

コロナ禍にほぼ全てのレッスンがリモートで可能になり、残りの人生は好きなところに住んで好きな仕事をすることに。2024年夏に奈良に転居し、自分の記録として、また多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたくChrononaut Naraを立ち上げる。

現在は奈良と東京の2拠点で活動中。奈良8割、東京2割。
推しは、藤原不比等と聖武天皇と早良親王。。。書いているときりがない。