「まれびと」が進める奈良の古民家再生事業

先日 NIPPONIA田原本 マルト醤油さんで古民家再生ビジネスに関して少しお話を伺う機会があった。田原本の辺りは三輪山に近く、纏向遺跡や唐子・鍵遺跡などもある、奈良でももっとも古くから栄えた地域だ。

8月のある日。。。いやまあ、日影が無くて暑いこと!でもこの平坦な耕作に向いた土地があったからここに文明が栄えたわけかと自分を納得させる。もう少し涼しくなったらあちこち探検に再訪したい場所だ(しかし今は暑過ぎる、、、)。


マルト醤油は奈良最古の醤油製造元のひとつで、70年ほど前に一旦醸造業を廃業されたのだが、当代が復興された。そして300年以上の歴史ある土地建物の一部を維持し、レノベーションしてホテル・レストランとして再生しているのが奈良拠点で活躍されているnarrative株式会社さん。narraiveの代表の大久保さんは奈良出身の方ではないが、奈良で歴史的建造物の維持と食を通じて継続的な地域おこしをしていくということに高い志と情熱を持って活動されている。

教養豊かな友人が、折口信夫の「まれびと」の思想について教えてくれた。それは「閉じた場所に『まれびと』が外から入ってくることで地域は活性化する。これこそまさに「日本の文化」「神あり文化」なのだ」と。大久保さんとnarrativeさんはまさに「まれびと」なのかもしれない。

NIPPONIA系列のホテルは私も千葉の佐倉で泊ったことがあり、そこは養蚕農家をリノベした施設だった。こういった古民家を再生したタイプのホテルでは、その土地の歴史やかつての産業を身近に感じることができ、宿泊体験自体が新しい学びになっているのが魅力だと思う。ちょっと建付けが悪かったり、梁が大きすぎて通りにくかったり、階段が急すぎたり、というのも逆に昔の人のリアルな生活を知ることができ、近代的ホテルには無い大きな魅力だ。

マルト醤油さんでは宿泊は7部屋のみで、宿泊無しでもレストランはランチもディナーも予約できる。畑も自前で、提供される食材はシェフやスタッフが畑に直接取りに行って料理に使われるものも多く、本来の意味での「オーベルジュ」。

このnarrativeさんが次に手掛けるのが若草山の麓に新たにオープンするVilla Communicoさん。私もちょっとお手伝いする予定。

開業されたら記事書きます。

この記事を書いた人

Chrononaut M

慶應義塾大学文学部史学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士。Q-Leap株式会社 取締役
2024年に東京から奈良に転居。

外資2社に計10年ほど勤務。その間Chicago、NY、Geneveに計4年駐在。結婚と子育てで一旦仕事を離れ、10年間の専業主婦時代を過ごす。3人の子育て中に再度社会に戻るために本格的に英語をやり直し、2011年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジでTESOLを取得、

2014年にビジネス英語研修会社 Q-Leap を愛場吉子と共同設立。企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを現在も手がけている。Q-Leapは今年設立10年を迎えた。「明日の日本代表に真の英語力を!」がスローガン。

コロナ禍にほぼ全てのレッスンがリモートで可能になり、残りの人生は好きなところに住んで好きな仕事をすることに。2024年夏に奈良に転居し、自分の記録として、また多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたくChrononaut Naraを立ち上げる。

現在は奈良と東京の2拠点で活動中。奈良8割、東京2割。
推しは、藤原不比等と聖武天皇と早良親王。。。書いているときりがない。