先日浄瑠璃寺の本堂出口近くで出会った本。
何気なく手に取って、パラパラと目次をめくって購入をきめたのだが、自宅に帰って翌日読み始めたら止まらない。
浄瑠璃寺の元ご住職、佐伯快勝さんの優しく語り掛けてくれる口調が心地よい本だ。難しいことをとても分かりやすく説明してくださる深い知識と丁寧なお人柄が文面から伝わってくる。プロフィールを拝見すると、昭和七年のお生まれで、ご存命なら私の父より2歳上。そんなことに親近感を感じながら読み進めている。
これから古寺巡りをしたい方、古寺は大好きだけれどなんとなく訪れていて詳しいことは良くわからない、という方にとって素晴らしすぎる入門書だと思う。仏像と伽藍配置は歴史の中で総合的に理解すること、法隆寺を原型としてその他をある程度そのバリエーションとして考えていくと、なぜそこにあるのか、がとても分かりやすくなること、など体系的に教えてくださる。
イラストも多めでお薦め。