入江泰吉旧居  大和路に魅せられた写真家の居た場所

南大門の方から来ると、東大寺ミュージアムを通り越して最初に左に曲がる道、真言院の手前を川沿いに入る道は築地塀の景色も良くお薦めの散歩道だ。この道を突き当りまで歩いて狸の置物のあるお蕎麦屋さんのところを右に曲がると戒壇院への階段へと続くthe Nara!な道になる。この辺りを水門町というのだが、昔から文人墨客がよくエッセイに書いているいかにも鄙びた奈良らしい場所だ。ここに写真家入江泰吉さんの旧居がある。その場所も佇まいも昔の雰囲気をそのまま残している。

質素な門を入ると受け付けがあり、「写真もどうぞ」とご親切におっしゃってくださった。そのまま部屋に入ると左手の窓の外が森だ。そしていろいろな写真で見覚えのある大きな木。秋には窓の外が紅葉で真っ赤になるそうだ。

手前の朱塗りの座卓に何冊か入江さんの本が置いてあったのだが、その中でも特大の写真集(定価36万円なり)が目を引く。今まで見たことのある写真もこのサイズで見るとまた一段と迫力がある。薬師寺のページが開いていたのだが、私の奈良移住のきっかけともなった、子供の頃に見て忘れられなかった春日大社の写真はあるだろうか。。。と少しどきどきしながらページを繰った。あった。最初にこの写真を見た時と同じ感動がまた蘇ってきた。奥の窓の景色と一緒に記念撮影。

この写真に呼ばれて奈良に来てしまったようなものか


窓の下は吉城川のせせらぎ。奈良好きには夢のようなロケーションの家である。


こちらと入江泰吉写真美術館はどちらかに行くと残りの一方の入場券を割り引いてくれるようだ。忘れないうちに写真美術館も行かねば。

この記事を書いた人

Chrononaut M

慶應義塾大学文学部史学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士。Q-Leap株式会社 取締役
2024年に東京から奈良に転居。

外資2社に計10年ほど勤務。その間Chicago、NY、Geneveに計4年駐在。結婚と子育てで一旦仕事を離れ、10年間の専業主婦時代を過ごす。3人の子育て中に再度社会に戻るために本格的に英語をやり直し、2011年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジでTESOLを取得、

2014年にビジネス英語研修会社 Q-Leap を愛場吉子と共同設立。企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを現在も手がけている。Q-Leapは今年設立10年を迎えた。「明日の日本代表に真の英語力を!」がスローガン。

コロナ禍にほぼ全てのレッスンがリモートで可能になり、残りの人生は好きなところに住んで好きな仕事をすることに。2024年夏に奈良に転居し、自分の記録として、また多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたくChrononaut Naraを立ち上げる。

現在は奈良と東京の2拠点で活動中。奈良8割、東京2割。
推しは、藤原不比等と聖武天皇と早良親王。。。書いているときりがない。