2024年1月の出雲の旅は日御碕神社からのスタートとなった。もともと出雲大社メインでと考えていた1日目だったが、その後いろいろな資料を読み、ルートも検討した結果、レンタカーで出雲空港からまずは島根半島西端の日御碕神社を訪れてから南下し、出雲大社、そして日没時間に稲佐の浜に行くことにした。
アクセス
日御碕神社は出雲大社からは車で20分程度のところにある。途中は左手に美しい日本海を望みながら高度を上げていく絶景のルートだ。途中に数か所車を止めて景色を楽しめる場所があるが、一番素晴らしいと感じたのは日御碕まであと数分という場所。車の窓から眼下に森に囲まれた荘厳な権現造りの屋根と朱の神殿、そして日本海が見えた時だ。そこだけ見ると「今は何時代?」と分からなくなるほど美しい眺めで、それが日御碕神社だと知った。
御祭神
―天照大御神(アマテラスオオミカミ)
―神素戔嗚尊(カムスサノオノミコト)
縁起
日御碕神社の名は「出雲国風土記」にその前身として「美佐伎社」「御崎社」としてその名前が見える。神話ではスサノオノミコトが柏の葉を手に取り、「この葉が落ちるところに住もう」と言って葉を投げたところ、その葉は日御碕の現社殿裏手の「穏ヶ丘」にとどまった。日御碕神社の神紋である三柏もこれにちなんでいる。
御神徳・ご利益
特に厄除け ほかに縁結び、夫婦円満、家運繁栄、交通安全、海上安全、殖産興業、安産など
みどころ
全体が重要文化財である権現造りの社殿がまずとても美しい。スサノオノミコトを祀る神の宮は裏手の穏ヶ丘から移されたもので老松の横の石段を登っていく。アマテラスオオミカミを祀る日沈宮は正面からも美しいが、神の宮から見たところも素晴らしいので是非。
社殿内には他にもたくさんの神様が祀られており、全部で十九もの神様がいらっしゃる。全てにお参りするとお賽銭だけでも大変である。
境内には古い松の木も多く、山に囲まれ後ろは日本海というロケーションは本当に「神さぶる」という表現がふさわしい。
また境内には京都御所紫宸殿の「右近の橘」の実から育ったとされる木がある。江戸時代に日御碕の医家、高橋家が植えて出雲市内で大切に育ててきたものだが、近年日御碕神社の境内に移植された。
お参りを済ませたら是非神社の裏の浜にも足を運んでほしい。浜に立って目前に広がる日本海を眺めていると往時の活発だった交易や日本海文化圏のことなどを想像しワクワクする。浜にある大きな岩の上にはさらに小さな祠が祀ってあり、こちらも日御碕の神事の一部となっているようだ。浜辺から神社の敷地沿いの道にはお土産物屋や簡単な料理を食べさせる店が並んでおり、イカの一夜干しが美味しかった。