出雲では神様を訪ねて多くの神社に足を運んだ。玉造温泉に宿泊していたので、朝一番に玉作湯神社にお参りし、その後車で八重垣神社へ。八重垣神社と言えばスサノオノミコトと稲田姫の板絵がとても有名で、教科書や本の中で見ていたのでそれを楽しみに。JR松江駅からも車やバスで15分ほどのようだが、玉造温泉からも15分ほどで着く。ゆったりとした農村地帯の中を行くと「八重垣神社」と書いた赤い幟と古い鳥居が見えてくる。お正月に近い三連休だったせいか、参拝者は思っていたよりもずっと多い。いよいよ縁結びの二人の神様の世界へ。
松江市街にとても近いので、本数は少ないかもしれないが公共交通機関でもアクセスは比較的楽そうだ。
アクセス
車 山陰道(松江道)松江中央ICより約6分
バス JR松江駅4番乗り場より約20分
御祭神
素戔嗚尊(スサノオノミコト)
稲田姫命
大己貴命(大国主命)
青幡佐久佐日古命(佐草宮司先祖神)
縁起
ヤマタノオロチを退治されたスサノオノミコトは稲田姫を娶り、この佐草の地に宮造りをされた。"天つ神"素盞嗚尊と"地つ神"稲田姫命の御二柱は、この地で結ばれた出雲の縁結びの大親神様で在らせられる。この御二柱を主祭神とした八重垣神社は、古来より朝廷、国司、藩主の崇敬が厚く、御神徳高い神の国出雲の古社・名社として位置づけられている。
御神徳・ご利益
良縁成就・安産祈願・授児子宝・病気平癒
境内
古い木造の鳥居をくぐると左手に手水舎があるので清めて随神門を通るとすぐ目の前が拝殿になる。出雲大社ほど大きくはないが、こちらの大注連縄もとても立派で清々しい。参拝を済ませ、神札授与所で「鏡池の占い紙」の代金を収め、右手に進んだところで占い紙を受け取って奥の院の方へ向かう。
狛犬
鳥居を入ったところにある出雲で採れる来待石で作られた狛犬。お供えがしてあって大切にされていることが感じられる。来待石はやや黄色味を帯びた花崗岩でやや柔らかく、風化が速いのかもしれない。この辺りの神社は来待石を狛犬を使ったところが多い。佐太神社もそうだったが狛犬の姿がかなり風化している。
八重垣の碑
拝殿の左側の広い白砂の庭に有名な八重垣の歌の石碑がある。スサノオノミコトが大蛇を退治し、稲田姫を救った後に詠まれた日本最古の和歌「八雲立つ 出雲八重垣妻籠に 八重垣つくる その八重垣に」が彫ってあり、こちらの神社名のもととなったものだ。その他にも境内内には多くの和歌の碑があるので探してみるのも楽しい。
–その他神社
境内内にはその他五柱ほど神様が祀られており、中央拝殿を囲むように配置されている。
宝物収蔵庫
拝殿正面を背にして右前にあるこちらに重要文化財のスサノオノミコトと稲田姫、天照大神など六柱の神々が描かれた板絵が展示してある。平安時代の宮廷画家による作品と伝えられていて、かつては本殿にあり、神官のみが拝謁できたそうだ。
神札授与所で拝観権を買ってから靴を脱いで入る。とても狭い空間で、展示してあるのはほぼこの板絵だけだが、「やっと本物を見られた」ということで満足。稲田姫が本当に美しい。
鏡池・奥の院
中央拝殿向かって左奥に続く道をたどると一旦境内を出て小さな橋を渡り、その奥にある佐久佐女森へと入る。結界が張られ、ご神木の立つこの森は鬱蒼としていて一瞬にして神話の世界に入るようだ。ここはスサノオノミコトが稲田姫を救うために姫を隠して八重垣で囲った場所とされており、森の中の小径を進むと鏡池がある。
–鏡池の占い
ここでは神札授与所で買った占い紙に何かの縁を祈願しながら硬貨を乗せて池の表に浮かべる。早く沈むほど願いが速く叶うと言われている。私が訪れた日は小学生から大人までたくさんの人が池に紙を浮かべていた。池は湧き水で出来ているようで、とても透明度が高く、周りに覆いかぶさるように繁る樹木の緑の影を映してとても神秘的で美しい。