東大寺除夜の鐘 顛末記

東大寺の除夜の鐘と言えば「ゆく年くる年」でかなりの頻度で登場する有名な鐘。「奈良太郎」とも呼ばれる国宝の梵鐘は天平勝宝4年(752年)、東大寺開山当時からここで変わらぬ音を響かせています。奈良に転居したからには是非除夜の鐘を撞いてみたい!と思っていたので事前に少し調べ、8人一組で鐘を撞くこと、100組800人まで受付すること、鐘楼辺りに整理券をもらうために並ぶこと、などの情報を得ていました。

31日夜、夕食も出し、お節の準備も済み、年越しそばも出したところで「2024年度、主婦業これにて終わらせていただきます。私は今から除夜の鐘の整理券に並びに行きます。」と家族に伝えたところ、「僕たちも行くけど(紅白で)氷川きよし見てから行くね」とのことだったので家族を置いて東大寺までダッシュ。

並んでいるうちに空が晴れてきて星が見えてきました

10時15分頃に整理券を待つ列に並びました。前から400番くらい。その後も列はあっと言う間に伸びて鐘楼から二月堂前まで続いていたようです。一列は四人で、私はお父さんとお子さん二人のご家族三人と一緒に並ぶことに。長い時間一緒に待っていたので自然とそのお父さんと会話が始まり、奈良について熱く語り合う事に。奈良に住んでいる方でもここまでいろいろな事情をご存知の方って珍しいなあ、と思いながらも話題が途切れることもなくずっとお話していたら整理券を配るお寺の方が。ついに整理券ゲット!そしてその整理券がなんとまあ有難いほどに素敵なのです。赤い大判のしっかりした紙に鐘楼と梵鐘の説明が入っています。私が整理券に見とれている間、そのお父さんとお寺の方が親しげに挨拶されていたので「お寺関係の方かしら?」と思いながらも更に待ち時間にあれこれお話は盛り上がりました。そして会話の内容がお仕事の話になった時に、

お父さん「サラリーマンだった頃、東京の深沢にいたことがあります」と。

仕事柄、時制に敏感な私😆は「だった頃、、、というと?」とすかさず「失礼ですが、今は、、、?」と。

以下会話再現💦

ちょっと躊躇されながら

お父さん「市長です」(小声)

私「まあ、どちらの?」

お父さん「奈良です」(こっそり耳打ち)

私「、、、えぇええーー!!申し訳ありません😭😭🤣😂😅。8月に転居したばかりで、、、お顔存じ上げず~~。」

と苦しい言い訳😂(はよゆうてー)

大きなマスクをされていたとはいえ、ずっとあれこれとお話していた「お父さん」はなんと仲川元庸奈良市長だったという、、、💦お子様方も可愛らしくて素直で、パパ大好き❤

境内のそこここにある焚火が見た目にも寒さを和らげてくれます

偶然にも親しくお話させていただき、仲川市長の素晴らしいお人柄と温かいお父さん振り、そして強い奈良愛をひしひしと感じ、奈良にはこんな素敵な市長さんが居るんだ、と移住者としてとても嬉しくなりました。冷や汗顛末とはいえ、市長さんとサシで1時間半話せたって取り敢えず凄い、ということは2025年度最初のGood Newsでした。

その後仲川市長御一家と鐘を撞き、無事に年を越しました。なんとラッキーなスタートでしょうか。

後から鐘撞に参加した家族から「引きが強すぎ」とからかわれました。今回の鐘撞きで学んだのは、「しっかり引いて、放せ!と言われたらすぐに綱を放さなくては良い音が鳴らない」ということでした。人生、努力と諦めが大事、ということかもしれません。

鐘を撞いてから大仏殿へ初詣

東大寺の鐘についてはこちらにも詳しいのでご興味のある方は是非。
「お寺の鐘しらべ」https://templebell.net/note/todaiji-nazo/


東大寺には鐘を鳴らすことをご奉仕としている大鐘家さんというお家があるとと聞きました。毎日夜8時に18回鐘を撞くご奉仕のようです。今でも聖武天皇が東大寺を作られた当初と同じ鐘の音を毎日聞けるという幸せが奈良にはあります。

皆様、新しい年もChrononaut Naraをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

この記事を書いた人

Chrononaut M

慶應義塾大学文学部史学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士。Q-Leap株式会社 取締役
2024年に東京から奈良に転居。

外資2社に計10年ほど勤務。その間Chicago、NY、Geneveに計4年駐在。結婚と子育てで一旦仕事を離れ、10年間の専業主婦時代を過ごす。3人の子育て中に再度社会に戻るために本格的に英語をやり直し、2011年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジでTESOLを取得、

2014年にビジネス英語研修会社 Q-Leap を愛場吉子と共同設立。企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを現在も手がけている。Q-Leapは今年設立10年を迎えた。「明日の日本代表に真の英語力を!」がスローガン。

コロナ禍にほぼ全てのレッスンがリモートで可能になり、残りの人生は好きなところに住んで好きな仕事をすることに。2024年夏に奈良に転居し、自分の記録として、また多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたくChrononaut Naraを立ち上げる。

現在は奈良と東京の2拠点で活動中。奈良8割、東京2割。
推しは、藤原不比等と聖武天皇と早良親王。。。書いているときりがない。