Deer(鹿)とSheep(羊)の話

奈良と言えば鹿、鹿と言えば奈良、というくらい宗教的にもイメージ的にも切っても切れないものになっている。春日大社の神様の一人、タケミカヅチは鹿島神宮から鹿に乗っていらしたという。鹿は神道や仏教との歴史的な関係性も深く、神獣という扱いだろうか。そしてキリスト教では羊がイエス様と切っても切れない関係にある。キリスト教において私たちは皆「神の子羊」とよばれ、イエス様は羊飼いとよばれる。

そんなDeerとSheepの間には言語学的共通点がかなりあって面白い。

  1. 文法:両方とも不規則複数形で、単数でも複数でも同じ形をとる。例:a deer, one sheep, many deer, many sheep (この形をとるのは他にfishとbisonくらい?)
  2. 語源:deerもsheepも語源はゲルマン祖語と呼ばれる古い言語である
  3. 音声:どちらも一音節の単語で、長母音である。

英語では動物の名前とその食肉の名前が同じだったり違ったりするのでややこしい。ちなみに羊肉は子羊ならラム(lamb)、成長した羊ならマトン(mutton)、そして鹿肉はジビエとして好まれていて、ベニソン(venison)と呼ばれている。

多くの観光客(特に外国人観光客)は奈良公園の鹿をお目当てにやってくるようで、野生動物がこんなふうに人間と接点を持ちながらのんびり暮らしているというのは驚きなのかもしれない。しかし地元の皆様に伺うとかなり増えてしまった鹿に必ずしも好意的な意見ばかりではなく、「農作物、花、植木などを食べてしまう困った動物」と思われていることも多いようだ。実際私も「庭に鹿が入らないようにしないと何を植えても食べられちゃいますよ」とアドバイスされた。でもやっぱり鹿さんを見るとなごみます。

この記事を書いた人

Chrononaut M

慶應義塾大学文学部史学科卒、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士。Q-Leap株式会社 取締役
2024年に東京から奈良に転居。

外資2社に計10年ほど勤務。その間Chicago、NY、Geneveに計4年駐在。結婚と子育てで一旦仕事を離れ、10年間の専業主婦時代を過ごす。3人の子育て中に再度社会に戻るために本格的に英語をやり直し、2011年にコロンビア大学ティーチャーズカレッジでTESOLを取得、

2014年にビジネス英語研修会社 Q-Leap を愛場吉子と共同設立。企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを現在も手がけている。Q-Leapは今年設立10年を迎えた。「明日の日本代表に真の英語力を!」がスローガン。

コロナ禍にほぼ全てのレッスンがリモートで可能になり、残りの人生は好きなところに住んで好きな仕事をすることに。2024年夏に奈良に転居し、自分の記録として、また多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたくChrononaut Naraを立ち上げる。

現在は奈良と東京の2拠点で活動中。奈良8割、東京2割。
推しは、藤原不比等と聖武天皇と早良親王。。。書いているときりがない。